百椿図

この春は、久しぶりに店内での展示を行いました。武藤良子さんによる『百椿図』巡回展倉敷編。

2023年3月21日(火)〜4月10日(月)

この『百椿図』(ひゃくちんず、と読みます)は、武藤良子さんが宮崎の「まごえもん椿油」からパッケージ用の椿の絵を依頼を受けて、椿の絵をたくさん描いているうちにはじまった展示です。これまで東京、盛岡、仙台、岐阜、とめぐりつつ、その都度あらたな椿の絵が生まれて行くというもので、今回の倉敷では椿の季節らしく、華やかな絵となりました(写真の左側、額に入ったまごえもんの椿の絵のあたりの5枚です)。このあとは沖縄へと巡回するそうです。

武藤さんの展示は2010年夏の『曇天画』以来13年ぶり、店内での展示そのものも2018年秋の加藤休ミさんの『一点クレヨン画展』以来5年ぶりでした。昨年秋だったか、武藤さんが「蟲さんでもまた展示ができませんか?」と連絡をくれて、わたしも「あ!それはぜひやりたいです!」と思い、そして実現しました。ここ数年は、二度にわたる骨折とコロナの流行とで、なんとか店を維持していくだけで精一杯でしたので、わたし自身は「ああ、やっとここまで来ることができたな」という感慨もありました。武藤さん、ほんとうにありがとうございました。

期間中は地元のお客さんや武藤さんのご友人はもちろん、観光地ならではの通りすがりのいろんな国の方々が覗いてくださり、たいへん賑やかな三週間となりました。ヨーロッパからお越しと思われる男性が、少しだけ日本語がわかる奥さんに聞きながら、小さい声で何度も練習してから「トテモキレイデス」と言ってくださったのも嬉しかったです。

それから、この展示にあわせて武藤さんが「蟲文庫サコッシュ」を作ってくれたので、こちらのご紹介もまたあらためて。

たぶんヤブツバキ。

乙女椿

白侘助