STANDARD BOOK『龍膽寺雄 焼夷弾を浴びたシャボテン』(平凡社)の挟み込みの栞に「火星とシャボテン人」という文章を書きました。そろそろ書店にも並ぶようですので、ぜひ手に取ってみてください。数年前『シャボテン幻想』(ちくま学芸文庫)の解説に「機会があればぜひ読んでもらいたい」と書いた「焼夷弾を浴びたシャボテン」が表題となった本が、このような、これまで龍膽寺雄という名前すら知らなかったような方々の目にもふれる形で発売され、とても嬉しいです。
この中の「シャボテン狂の見る夢」というサボテンや多肉植物が夢に出てくるという話も、ふんわりとした多幸感にあふれていて大好きなのですが、「そういえば私はサボテンの夢、無いな……」と思っていた矢先のつい先日、見たこともない不思議な形をした多肉を「えー?なにこれ?」としげしげと眺める夢を見て、なにか「おかげ」をいただいたような気がしました。
ちなみにその「不思議な形の多肉」というのは、ラグビーボールくらいの大きさで松ぼっくりみたいな形の「本体」から、わりあい一般的なエケベリア系統の葉が蔓状に伸びてたくさん垂れ下がっている、というものでした。
この『龍膽寺雄 焼夷弾を浴びたシャボテン』をはじめとしたこのシリーズは、今後少しずつ新刊で入る予定です。入荷第一弾は寺田寅彦、野尻抱影、牧野富太郎、南方熊楠、中西悟堂、多田富雄、龍膽寺雄の予定です。どうぞお楽しみに。
STANDARD BOOK『龍膽寺雄 焼夷弾を浴びたシャボテン』(平凡社)栞執筆:山崎ナオコーラ・田中美穂