ご近所さんと20年

 駅前から、いまの場所に移転して、今年でちょうど20年になります。店の周囲もここ数年で一気に観光地化しましたが、それでも元々一般の住宅も多い地域で、普段はそれほど交流はないけれど、長年のうちにお互い「あの家(もしくは店)のだれだれさんね」とそれとなく認識しあい、通りすがりに軽く会釈はする、というような間柄の「近所の人」がたくさんいます。特に少し世代が離れている場合は、これまでなかなか会話のきっかけがなかったのですが、このたびの骨折後、営業再開したとたんに、そんな方が次々と覗いては、復帰を喜び激励してくださって、ちょっとびっくりしました。ほとんどの方とは、それが、ほぼ20年来のはじめての会話となったわけなのですが、みなさん、休んでいた3ヶ月間、店の表に貼っていた「店主骨折のため しばらくの間休業いたします」という紙を見て、ずっと心配してくださっていたようです。わたしの親ほどの年齢の方が多いので、手足が不自由になることの辛さ、不便さは他人事ではないのだろうとも思いました。


 そんなこんなで、最近では道端ですれ違うと挨拶をしたり、少し立ち話をしたりするご近所さんがずいぶん増えました。そして、新参者と思っていたわたしも、老舗をのぞけば、まあまあ古いほうになってきたんだな、と思う出来事でもありました。

近所の乙女椿が咲きはじめていました

野鳥趣味

せっかくリニューアルした店番日記ですが、すっかり療養日記の様相です。しかも日々自宅と店との往復だけで精一杯なので、毎度同じようなことばかり書いておりますけれども、ともあれしばらくは「まあなんとかぼちぼちやってるな」というふうな、生あたたかい目で見守っていただけたらと思います。

数年前から急に野鳥に興味が出て、写真に撮ってはあとで種類を調べるというのが趣味になりました。それまでは、ハトとカラスとスズメとサギの仲間くらいしか見分けられなかったというのに、いまや数十メートル先の川の波紋の大きさを見ただけで「あ、いまカイツブリが潜った」とわかるようにまでなっていて、自分のことながら可笑しいです。

鳥が見たいばかりにはじめた徒歩通勤、はじめは体力的にも足の状態からみてもやや無理があったのですが、おかげでだいぶ鍛えられてきました。

カイツブリ。潜水が得意です。

カイツブリは小さな水鳥で、一緒に写っているヒドリガモ(カモの仲間の中ではそれほど大型ではない)の半分くらいのサイズです。

薄皮を

一月も中旬をすぎて、すっかり日常が戻りました。一年でもいちばん静か(ひま)な時期ではありますが、怒濤の年末年始のあいだ棚に上げていたあれこれが一気に押し寄せて、頭の中だけはやけに忙しいという状況です。そういえば、自営業者はそろそろ確定申告ですね。


こないだ、足の様子を心配して尋ねてくださった方に「見た目は数カ月前とたいして変わりませんけど、毎日ちょっとずつは……」といつものようにこたえたら、「ああ、薄皮を剥ぐように?」と返してくださり、「そうそう!それ!」と思いました。そうなんです、相変わらず片方松葉杖をついてよちよち歩いていますが、内側はそんな感じです。

通勤時に重たい望遠レンズを持ち歩けるようにもなりました。

朝日を浴びてうっとりしているカワセミ
朝日を浴びてうっとりしているカワセミ
カワセミの後ろ頭

背中にカイロ

無事に「年末年始休まず営業」期間をおえ、本日は10日ぶりの休日です。毎年、お正月とGWとお盆休みの頃に、こうした機会がありますが、昨年はGWに入る前日に骨折し、もちろん丸々休業。お盆休みは営業再開直後でまだ体力がなく、2〜3日おきに休んだため、このたびの年末年始にようやく「例年どおり」に開けられるようになりました。ほんとうにほっとしています。それでほっと気が緩んで風邪をひかないように、今日は背中にカイロを貼りました。背中にカイロは肩凝りにもいいですね。


下の写真は新しくしたショップカードです。年賀状にも使うつもりで作ったのですが、いろいろと仕事が渋滞していて昨年のうちにはまったく書きはじめられず、元日からあわてて、いただいた年賀状に返信の形で出しているような状態です。そんなこんなで「あれ? 今年は来ないな」と思ってくださる方もあるかもしれませんが、ただ手が回らないだけで他意はありませんので、どうぞご容赦ください。

初詣と古本

あけましておめでとうございます。

こちら山陽地方南部は、うららかといってもいいくらいの好天に恵まれた三が日となりました。曜日の関係で今年のお正月休みは長めなのもあってか、この界隈でいちばん大きな神社のある美観地区周辺もたいへんにぎやかです。そして、そんな大勢の方々の中には、初詣に来て、観光もして、ついでに古本でも買って帰ろうか、という方もそれなりにおられるのは、本当にありがたいことだと思います。なにがどう、とは説明が難しいのですが、やはりなんとなく「お正月ぽい」本が売れるのも楽しいです。


本年もどうぞよろしくお願いいたします。