くるぶし

先日、またしても骨折をしてしまいました。歩行中につまづいて、尻もちをついた拍子に足首をひねり、くるぶしの骨が折れたのです。ただ、今回はきれいに(骨のずれがなく)折れたので、入院や手術は必要なく、しばらくのあいだ固定して、骨がつくの待つことになりました。前回のことがあるので、先生から治療方針を伝えられた時は正直「ラッキー!」と思いましたが、まあ、もちろん当分は両松葉杖で自転車にも乗れないので大変なんですけどね。現在、右足にはまったく体重をかけられないのですが、この固定がとれるのが、たぶん連休明けで、その後、だんだんと体重をかける練習をして……となる予定です。立て続けなもので、友人知人から「骨がもろくなっているのでは?」と心配されているのですが、どちらかということ、前回の骨折がかなり重傷だったせいで、左右のバランスが崩れて転びやすい(お年寄りや子どものように)のが主な原因ではないかと思います。最近、近所の方から「転びにくくなる靴下」というものを教えてもらったので、もうすこし治ってきたら試してみたいと思います。

そんなこんなで、店のほうはまた休み、休みのペースですが、ぼちぼちとは開店しています。よろしくお願いします。

『コケのすきまぐらし』

 福音館書店の月刊「たくさんのふしぎ」2021年10月号『コケのすきまぐらし』田中美穂 文/平澤朋子 絵、が発売になりました。店の裏の鶴形山近辺と蟲文庫を舞台に、身近なコケのふしぎな生態を紹介しています。柔らかく愛らしく的確な平澤朋子さんの絵でないと完成しなかったと思うコケの本になりました。

 この絵本は、『苔とあるく』(WAVE出版 2007年)が出た当時、このたびの担当編集のKさんが、「ちいさなかがくのとも」の保護者向けの折り込みの取材に来てくださって、「いつか、コケの絵本を作れたらいいですね」とお話ししたのがそもそものきっかけでした。それから数年して「たくさんのふしぎ」編集部へ移られたため、だんだんと現実的なものになり、それが今年ついに完成したのです。 もちろん、その14年ほどのあいだ、ずっとコケの絵本のことばかり考えていたわけではありませんが、何も動きがない時期でも、頭の中にはずっとほんのりと存在していましたし、いよいよ取りかかりはじめてからもいろいろとあって(例:骨折)、いまこうして出来上がったものを手にして「ああ、ほんとに出来たんだな」とまずは単純に感動しています。 ただ、ずっと同じ場所で観察していても、やはり十数年の積み重ねは大きく、少しずつ知識や考えが深まったり広がったり変化したりしたので、こうしていままで時間がかかって、ほんとうによかったとも思っています。

 先日、『苔とあるく』を一緒に作った担当編集のHさんに送ったところ、すぐに電話があり、「『苔とあるく』が出来たのは「たくさんふしぎ」の『ここにもコケが…』の存在が大きいですよね、そしてそこから今度は『コケのすきまぐらし』が生れるなんて、すごいことですね」という話しをして、ふたりとも、あらためて「ふー」と電話口でため息をつくような、なんともいえない感慨にふけりました。そうなんです、『苔とあるく』が出来た、いちばん大きなきっかけは、「たくさんのふしぎ」の『ここにもコケが…』(越智典子 文/伊沢正名 写真  2001年6月号)の存在だったので、そこからさらに、今回の『コケのすきまぐらし』につながるなんて、これはほんとうにすごいことだと思います。


 最初にも書きましたが、平澤朋子さんの絵が見事なのです。さっそく読んでくれた友人知人からも「絵がすごくいいですね」「一気に平澤朋子さんのファンになりました」「素晴らしいですね、もともと植物画を描かれる人なのかな」「平澤朋子さんの絵、最高!」という感想が届いています。でもじつは平澤さんは、植物の絵を本格的に描くのは今回が初めてなのだそうです。しかも、よりによってこんなに見分け、描き分けの難しいコケが相手で、ほんとうに大変だったと思うのですが、こちらの目指すものを丁寧に汲み取って、最後の最後まで粘り強く、熱心に描いてくださり、おかげでこんな、柔らかくて愛らしくも写実的な素晴らしいコケの絵の本が出来上がりました。


 絵本は、「文」と「絵」とのバランスを取るということがとても重要で、そしてとても難しく、「何を書いて、何を書かないか」ということを、絵や展開にあわせて何度も何度も直しながら絞り込んで考えて行くということもとても勉強になりました。もともと本というのは、いろいろな人の力を借りながらの共同作業で出来上がるものですが、特に今回のような絵本は、文章を書く人、絵を描く人、そして全体をみながら舵取りをする編集者との、どれが欠けても成立しないため、作者として名前が出るわたしも、いってみれば「代表」みたいなものなのです。

『コケのすきまぐらし』に書いた「作者のことば」がwebで公開されています。こちらもぜひ読んでみてください。http://bit.ly/3DQSNuk


 「たくさんのふしぎ」は、基本的には定期購読型の月刊絵本なので、取扱いのある書店は限られますが、注文や取寄せは可能な場合もあります。お手数ですが最寄の書店でお尋ねください。もちろん蟲文庫での通信販売も歓迎いたします。定価770円とは別に、送料87円(第三種郵便)と振込手数料をご負担いただくことになりますが、よろしければご注文ください。

梅雨明け

 梅雨が明けました。自転車通勤なので雨が降らないのは助かりますが、しかし暑いですね。観光地にある店なので、もうずっと、感染者が増えれば出歩く人が激減し、すこし落ち着けば人出が戻り、の繰り返しですが、最近では人がいようがいまいが週の前半に一日休んで、あとはだいたい開けることにしています。


 店は、そんな調子で開店休業状態が続くことも珍しくありませんが、何年も前からじわじわと進めていた絵本が、ここへきてついに大詰めをむかえ、そしてそんなところへ『ときめくコケ図鑑』(山と溪谷社)の文庫化も決まり、こちらはなかなかスケジュールもタイトで、ひとりてんやわんやしていました。先日どちらも校了し、やっとひと息ついたところです。たぶん9月頃の発売ではないかと思います。詳細はまたあらためて。


 はじめに「週の前半に一日休んで、あとはだいたい開けている」と書いたところですが、7/26(月)〜8/4(水)は私用のため休業いたします。

柳の繁りっぷりが夏らしいです

かまくらブックフェスタ

 この12日から「かまくらブックフェスタ in くまざわ書店橋本店」が始まりました。今回は赤々舎 牛若丸 エクリ カディブックス 北と南とヒロイヨミ社 共和国、里山社 左右社 新曜社 タバブックス トムズボックス ナナロク社、羽鳥書店 蟲文庫 港の人 の本が並んでいます。わたしも港の人から出ている『胞子文学名作選』が縁でお声掛けいただきました。

 期間は約一ヶ月の予定。蟲文庫は自著数冊と栞、紙ファイルなどで参加しています(古本はありません)。ちなみに、ご存知ない方も多いのですが『苔とあるく』『亀のひみつ』『星とくらす』三部作の装丁は牛若丸 / マツダオフィスの松田行正さんなのです。最初、ピンク色のコケの本が出来上がってきた時はほんとにびっくりしました。

 「くまざわ書店橋本店」は神奈川県相模原市のアリオ橋本店の中にあります。このような時期ですが、機会のある方、ご都合のよい方は、どうぞお気をつけてお出かけください。

今年もよろしくお願いします

 さすがに静かなお正月でした。倉敷へ帰省できない友人知人も多かったのですが、倉敷から地元へ帰省できなかった方もおおぜいおられ、そんなお馴染さんが元日早々覗いてくださったりしてとてもありがたかったです。一日も早く落ち着いてほしいと思いますが、どうやらまだまだのようですね。まずは地道に感染予防につとめ、様子を見ながらぼちぼちやっていきたいと思います。今年もどうぞよろしくお願いします。

戎堂で買ったお正月用の干菓子

暮れのご挨拶

 いつの間にかもう暮れも押し詰まってきました。「あんまりなんにもしてないのに疲れたなー」というのが、今年の感想ですが、ともあれ、この状況下で「まだ店を続けられている」ということを喜びたいと思います。みなさまそれぞれに困難な状況の中ご来店くださり、ほんとうにありがとうございました。
 年末年始についてはトップページのカレンダーの通りで、3日(日)まで休まず営業の予定です。例年なら、都市部から帰省してくる友人知人に会うために開けているようなものなのですが、今年はみな控えるということ。でも長年の習慣で、お正月に休んでも特にすることもないし、せっかくだからいつも通りに開けておこう、といった感じです。大晦日から元日にかけては数年に一度の寒波の到来ということなので、みなさまくれぐれもお気をつけて、ご安全にお過ごしください。また来年もどうぞよろしくお願いいたします。

この時期の栴檀(センダン)の実。

年末年始は営業します

 先日検討中とお伝えしました年末年始の営業ですが、下記のとおり開店予定です。

・12月30日(水)11時頃〜18時頃

・12月31日(木)11時頃〜17時頃

・1月1日(金)11時頃〜17時頃

・1月2日(土)11時頃〜17時頃

・1月3日(日)11時頃〜17時頃

・1月4日(月)5(火)休業

・1月6日(水)11時頃〜18時頃

 寒波到来の予報も出ていますので、ご無理のない範囲でよろしくお願いします。

naraさんから届いたお飾り。今年はこんなシンプルなものをお願いしました。

年末年始の営業について

 冬らしい寒さとなってきました。この年末年始は例年通り休まず営業の予定でおりましたが、コロナウイルスの感染拡大がやまない現在の状況から、31日以降については未定といたします。決まり次第またお知らせいたしますのでよろしくお願いします。

斜向かいのnaraさんで買った、お正月用の菊。

冬鳥

 夏の初め頃からの続いていた買取りラッシュもだいぶ落ち着いてきました。一時は半分ほどが古本で埋まっていた売り場の通路も、いまはいちおう全て開通し、歩きやすくなっています。予想されていた通り、気温が下がるにつれてふたたび感染者数が増えており、この冬も様子をみながらの営業になりそうですが、在庫はうなるほどありますので、地道に棚の整理と入れ替えをやっていこうと思います。


 早くも(でもない?)お問合せをいただいている年末年始の営業については、いまのところ例年通り、時間短縮ながら休まず営業の予定です。お近くまでお越しの際にはぜひお立ち寄りくださいませ。

 倉敷川には今年も渡りのカモ類がやってきました。冬場の最大の楽しみです。

二十世紀派

 そろそろ9月です。日陰で信号待ちなどをしていると、吹いてくる風がほんの少し涼しくなったような気がしないでもないですが、でもまだまだ暑いですね。これで自転車に乗れていなかったら、どうなっていたことかと思います。

 倉敷もこれまでに経験のないほど静かな夏となりましたが、おかげさまで店のほうはなんとかぼちぼちやっております。時節柄、買取りのご依頼も多く、棚はだいぶ充実して来ていますし、いま取り組んでいる大物の査定が終わったら、棚数本分がらっと変わると思いますので、また涼しくなった頃にでもぜひお立ち寄りくださいませ。

 それでは、皆様それぞれに大変な状況の中におられるかと思いますが、お体にはくれぐれもお気をつけて、お元気でお過ごしください。

鳥取の親戚から届いた二十世紀梨。梨は昔から二十世紀派です。